イラスト

イラスト:「――レイ」

 魔王の軍勢を遥か彼方に見据えながら、一人の青年が空に浮かんでいる。
 赤髪が風に揺れ、碧い瞳が見下ろすと、

 右手を無造作に振るい、呟いた。

「――レイ」

 その瞬間、天空の彼方から流星が降り注ぎ、大地に次々と大穴を穿つ。

小説:『世界を救った少年』 ◆  折れた時計塔が、瓦礫の海に沈んでいる。  どこまでも傷ついた大地に、もう人の住める場所はない。  その地平線の...